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二十歳の火影

作者:高考题库网
来源:https://www.bjmy2z.cn/gaokao
2020-10-25 09:38
tags:息子

涧的拼音-extractor

2020年10月25日发(作者:朱哲琴)



次の文章を読んで後の問いに答えなさい。

私の住んでいたアパ ートの隣に、タクシー会社の営業所があった。いつも二、三台のタ
クシーが客を待っていて、運転手が スルメをかじりながら将棋をさしている。Kさんという、
電話の応対や車の手配をするために雇われて きた青年が、営業所の二階で寝起きしていた。
私が中学二年のときだったから、昭和三十六年のことで ある。
当時は大阪にもまだ市電が走っていた。大きな交差点の角にある粗末な造りのタクシー
営業所は、市電が通り過ぎていくたびに、グラグラと揺れた。私は運転手たちが仕事に出
てしまうの をみはからって、よくその営業所に遊びに行った。Kさんは、私の目にはすでに
二十五、六歳に映った が、事務所のカウンターに英語の参考書を置いて、いつも勉強して
いた。Kさんは、私には大阪大学の 学生であると語り、大学生活の虚しさ、働きながら
学校に通うことの困難さを、ある熱っぽさを込め て話してくれるのだった。だが私は、運
転手の誰かから、Kさんがもう四年も受験に失敗し、それでも あきらめきれず、働きながら
浪人生活をつづけていることを聞いていたのである。
「宮本君も大学へ行くつもりか?」
と_Kさんが訊いた。
「……ぼく、勉強嫌いやさかい」
するとKさんは恐い顔をして言った。
「一人息子がそんなんやったら、お父さんもお母さんも、さぞかし残念なことやろなア」
私はいささかムッとして言い返した。
「何年も浪人するより、最初からあきらめてる方がええもん」
①Kさんの動揺した顔を見て、私はひどく後悔した。それで慌てて言葉をついだ。
「そやけど、本を読むのは好きやで」
「へえ、……どんな作家が好きやねん?」
小説など読んだことのなかった私は②しどろもどろになり、国語の教科書にのっていた
二、三人の作家 の名をでたらめに口にした。Kさんは黙って二階の自分の部屋にあがると、
一冊の文庫本を持って降り てきた。
「これ、おもしろかったから貸したげる。読んだら、ちゃんと返してや」
それは【 X 】の『あすなろ物語』であった。借りて帰ったものの、私には読む気など
全くなかった。
そ の日、昼頃から親類の家に出かけていった母は、夜の十時を過ぎても帰ってこなかっ
た。そんなことは かつて一度もなかったことで、私はだんだん心配になってきて、市電の
停留所まで迎えに行ったり、ア パートの玄関のところでうろうろしたりしていた。私の家
にも、親類の家にも電話はなかった。その当 時の私たち一家は貧乏のどん底にあった。い
ろいろな事情もあったのに違いないが、父はよそに女をつ くって家には寄りつかなかった。
いつしか母も昼日中から酒をあおるようになり、私が学校から帰っ てくると、酔いつぶれ
て寝ていることが多かった。
十一時頃、珍しく父が帰って来、それと 同時に親類の者がアパートに駆け込んで来た。
母は、その親類宅で、睡眠薬を飲んで自殺を図ったので ある。気づくのが遅かったので、
ひょとしたら駄目かも知れないとのことだった。
「阿呆な奴や」
父はぽつんと吐き捨てて、病院へ行くためアパートの部屋を出て行こうとし た。その父
のうしろ姿に、私はそばにあったガラスの灰皿を投げつけた。それは父の背に当たって割< br>れた。
「お母ちゃんが死んだら、俺を殺せ。俺を殺して、おまえも死ね。……無茶苦茶になっ て
いくのんは簡単やでエ」
だめ


くらがりに立ち停まって、父は私に そう言った。どんな事業を試みてもうまくいかず、
家も会社も人手に渡して、とうとう無一文になって しまった六十五歳の父の、③滅多に見
せたことのない静かな、おだやかな表情であった。
「おまえも一緒に病院へ行くか?」
と父が言った。【 Y 】私が首を横に振ると、父はそのまま表通りに消えていった。
再び父が帰ってくるまでの数時間を、 私はどうにも思い出すことができないのである。
私がどうやって狭いアパートの一室で時間を過ごして いたのか、いくら記憶をたどっても、
そこだけ④忽然と消え去ってしまっている。その前後のことは不 思議に鮮明におぼえてい
るのに、⑤そこだけぽっかりと穴があいているのである。[A]
父は夜中の三時頃帰ってきた。
「お母ちゃん、死なへんかった。一週間もしたら元気になるそうや」
私は泣いた。いつまで も涙がとまらなかった。ただうれしかった。しあわせであった。
押し入れの中にもぐり込み、いつまで も泣いていた。眠れそうにないので、私は電気スタ
ンドを押し入れの中に持ち込み、身を屈めて、Kさ んが貸してくれた『あすなろ物語』をひ
らいて読み始めた。中学二年生の私には難しい漢字もあったが 、いつしか夜の明けるのも
忘れて、茶色く変色した文庫本の中に展開される一つの世界へと、自らを埋 め込んでいっ
たのだった。母の自殺未遂という事件は、⑥ある種の透明な感性を、そのときの私に授 け
てくれたのかもしれない。⑦初めて接した文学の世界に、私は言葉に尽くせぬほど感動し
陶 酔したのであった。
何日かたって、私はその文庫本をKさんに返しに行った。( 1 )また別の本 を貸してく
れとせがんだ。⑧Kさんは私にえらそうに説教したにもかかわらず、小説といえば『あすな
ろ物語』一冊しか持っていなかった。本を買う金などなかった私は、学校の図書館に行き、
か たっぱしから小説を読みあさった。小さな図書館だったので、私の読みたいものはたち
まち尽きてしま った。私は中之島にある府立図書館に行き、何月何日までに、書架のここ
からあそこまでを読了してみ せようなどと計画をたてた。読み進むにつれて、私はだんだ
ん自分の本が欲しくなってきた。( 2 )、その日の生活費すらままならぬのを知っていて、
本を買ってくれとは言い出せなかった。
ある日、元気になった母と繁華街を歩いていて、中年の男が路上で莫蕗を敷き、古本を
売っていると ころにでくわした。文庫本が十冊ずつ紐で頑丈に束ねられてあった。どの束
も五十円だった。私は母に 買ってくれとねだった。[B]
「この頃、本がえらい好きになったんやなァ」
⑨そう言っ て苦笑しながら、母は財布から十円玉を五つ取り出してくれた。当時の母にと
っては簡単な金ではなか った筈である。私は初めて自分の本を手にすることができた。新
潮文庫、角川文庫、岩波文庫とまちま ちであったが、そのときの十冊は、いまも私の本棚
におさまっている。高山樗牛『滝口入道』、三島由 紀夫『美徳のようめき』、樋口_=某『た
けくらべ』、井上靖『猟銃?闘牛』、ドストエフスキー『貧 しき人々』、レマルク『凱旋
門』、ダビ『北ホテル』、石川達三『蒼眠』、カミュ『異邦人』、徳田秋 声『あらくれ』
の十冊である。
私はその手垢にまみれた文庫本をどんなに大切にしたことだ ろう。それはそのときどき
で、父の怒鳴り声や母の泣き顔から逃げていくための手段であったり、不良 仲間の乗り廻
すオートバイの代用品であったり、尻ボケットに忍ばせる洒落たアクセサリーであったり
はした。[C]
それ以後も、生活は良くなったり悪くなったりした。再び事業を始めた父は 、少しうま
く行きかけるときもあったが、結局どうしても軌道に乗りきることは出来なかった。そし< br>て私はおとなになっていった。私の青春は、まさしく文庫本とともにあった。それは、青
春の出 発点となったあの不思議な一夜に、私がはからずも一冊の文庫本を手にしていたこ
とと無関係ではない 。私にその文庫本を貸してくれたKさんは、それから二年ほどして和


歌山のうどん屋の娘と結婚した。いまは三軒の支店を持つ食堂の主人である。[D]

(『二十歳の火影』)


問一 __線部①「Kさんの動揺し た顔を見て、私はひどく後悔した。」のはなぜか。その
理由に当たる箇所を五十字以内でさがし、最初 の八字で抜き出しなさい。


問二 【 X 】に入る作者名を本文からさがし、抜き出して答えなさい。


問三 __線部③ 「滅多に見せたことのない静かな、おだやかな表情であった。」から読
み取れる父の心情として、最も ふさわしいものを、次のア~エからひとつ選び記号で答え
なさい。
ア 妻の起こした行動に 対して、投げやりである普段と違って、すべてのことを自分の責
任であると受け止めようとしている心 情。
イ 妻だけでなく、息子までも自分自身に反抗する態度に対し、父親の立場を捨て、距離
を置いて接していくことを決意した心情。
ウ 冷たい他人しかいない世の中のせいで、何をしても うまくいかない自分自身を慰め、
いたわっていこうと考えている心情。
エ あまりに激しい 言動をしているので、この状況の時ぐらい、少しでも父親であること
の威厳を見せ、冷静でいようとす る心情。


問四【 Y 】に入る文として最もふさわしいものを、次のア~エからひとつ選び記号で答
えなさい。
ア 私は母の死を確信し冷静に受け止めていた。
イ 私は父がこんなに遅く帰って来たことに驚いた。
ウ 私は父が母に対して吐いた言葉を許せなかった。
エ 私は死にかかっている母を見るのが恐かった。


問五 __線部⑤「そこ」の指す内容を本文中より過不足なく抜き出しなさい。


問六 __線部②「しどろもどろ」?④「忽然と」?⑩「軌道」の意味を、次のア~エか
らそれぞれひとつず つ選び記号で答えなさい。
②「しどろもどろ」
ア 突然のことにびっくりとして、立ち歩き回るさま。
イ 過去の記憶を必死に思い出そうと、四苦八苦するさま。
ウ 話し方に筋が通らずあっちにつかえ、こっちにつかえるさま。
工 相手に理解させようとして急ぐあまり、早口になるさま。

④「忽然と」
ア ようやく
イ 必ず
ウ 自然と


エ たちまち

?「軌道」
ア 物事が計画、予定に従って進んでいく道筋。
イ 動きをすばやく、実行することのできる道筋。
ウ 決められた内容でしか進むことのできない道筋。
エ 機械的な道具を使って進んでいく道筋。


問七 __線部⑥「ある 種の透明な感性」とは、どういう意味か。次のア~エより最もふ
さわしいものをひとつ選び記号で答え なさい。
ア 純粋に文学に引き寄せられる魅力。
イ 人間だれでもが持つ憎しみの感情。
ウ さまざまな知識を得られる学力。
エ どんな物も透きとおって見える能力。


間八 __線部⑦「初めて接した文学の世界に、私は言葉に尽くせぬほど感動し陶酔した< br>のであった。」とあるが、このことが「わたし」にとって人生の何になったと言っていま
すか。 本文中より六字で抜き出し答えなさい。


問九 空欄(1)?(2)に入るのに ふさわしい接続語を、次よりそれぞれひとつずつ選び記号
で答えなさい。

ア つまり イだから ウ そして エ むしろ
オ もっとも カ だが キ なぜなら ク さて


問十 __線部⑧「Kさんは私にえらそうに説教したにもかかわらず、小 説といえば『あす
なろ物語』一冊しか持っていなかった。」と同様に、Kさんのプライドの高さがはっ きりと
現れている一文をさがし、その最初の八字で抜き出しなさい。


問十一 __線部⑨「そう言って苦笑しながら、母は財布から十円玉を五つ取り出してく
れた 。」とあるが、母が「苦笑」したのはなぜか。次の文の空欄に当てはまる語を本文中
から六字で抜き出 しなさい。
?本を好きになったことを多少うれしく思う反面、私の家は( )であったから。


問十二 次のア~エのうち、本文の内容に合わないものを、ひとつ選び記号で答えなさい。
ア 私が文学の世界に感動し陶酔したきっかけは、不思議な一夜のできごとに関係してい
る。
イ 母が無事だと分かったとき、周囲の様子は不思議に鮮明だったが実感はわかなかった。
ウ Kさんは、苦労しつつ浪人生活をつづけていたが、私に冷たい態度で接することはなか
った。
エ 私にとって文庫本は、様々な場面で様々な姿に変化し、私を成長させた大切なもので
あった。




問十三 次の一文が入るのに正しい箇所を、本文「A」?「B」?[C」?「D」から選び記号
で答えなさい。

だが、私はそれより何よりも、小さな文庫本に秘められたさまざまな感動や陶酔に、理屈ぬきにひたり込んでいったのであった。

凛冽怎么读-修直


climate是什么意思-簸怎么读


彡怎么读-胆小怕事


什么叫机械运动-菊科


television-什么叫不解风情


李德立-凇怎么读


什么是空想社会主义-黑黢黢


脔-wea



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